1926年、軍人の父、学校教員の母のもと、ポーランド東北部のスヴァウキに生まれる。第二次世界大戦中には対独レジスタンス運動に参加。戦後、クラクフ美術大学に入学した後、ウッチ映画大学に転学し卒業。1954年『世代』で長編映画監督デビュー。
1957年『地下水道』(56)でカンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞。1959年『灰とダイヤモンド』(58)でヴェネチア国際映画祭批評家連盟賞受賞。1971年『白樺の林』(70)でモスクワ国際映画祭金賞受賞。1978年『大理石の男』(77)でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞。
1981年『鉄の男』でカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞。
同年に布かれた戒厳令で、ポーランド映画協会長などの座を追われ、海外での映画製作(『ダントン』など)を余儀なくされる。1985年『愛の記録』でポーランド映画界に復帰。1987年京都賞を受賞。その受賞賞金を基金として、クラクフに日本美術技術センターの設立を宣言。1992年改めてワルシャワ蜂起の歴史的意味をを問う『鷲の指輪』を発表。
1994年磯崎新氏の設計による日本美術技術センター(現 日本美術技術博物館)がクラクフに完成。1995年勲三等旭日中綬賞を受賞。1996年高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2000年米アカデミー賞特別名誉賞を受賞。2006年ベルリン国際映画祭金熊名誉賞を受賞。
『世代』(54)/『地下水道』(56)/『灰とダイヤモンド』(58)/『夜の終りに』(61)/『すべて売り物』(69)/『白樺の林』(70)/『婚礼』(73)/『約束の土地』(75)/『大理石の男』(76)/『ヴィルコの娘たち』(79)/『鉄の男』(81)/『ダントン』(82)/『愛の記録』(86)/『悪霊』(88)/『コルチャック先生』(90)/『鷲の指輪』(92)/『聖週間』(95)/『パン・タデウシュ物語』(99)/『仕返し』(02)/『カティンの森』(07)/『菖蒲』(08)
◆主な日本語文献:アラン・トリノン(金子恵一訳)「ワイダ」(三一書房、1970年)/NHK取材班「わがポーランド ワイダ監督、激動の祖国を撮る」(日本放送出版協会、1981年)/ボレスワフ・ミハウェック(今泉幸子・新藤照光訳)「静かなる炎の男 アンジェイ・ワイダの映画」(フィルムアート社、1984年)/高野悦子(きき手)山田正明(解説)「ワイダの世界----映画・芸術・人生----」(岩波書店、1988年)/ヴァンダ・ヴェルテンシュタイン編(工藤幸雄監訳)「アンジェイ・ワイダ自作を語る」(平凡社、2000年)/「ワイダ自伝」(凱風社、近刊予定)
1930年生まれ。作家・ルポライター・脚本家。多くの映画シナリオを執筆している。
1959年生まれ。1991年映画監督としてデビュー。以後、アクション映画を中心に01年までに7本監督。03−08年には、『大理石の男』『鉄の男』のイェジ・ラジヴィウォヴィチ主演のTVシリーズ『警察』を監督。
1970年生まれ。ジャーナリスト・脚本家。ワイダ監督のほか、マウゴジャタ・シュモフスカ、カシャ・アダミク(アグニェシュカ・ホラントの長女)などの女性監督作品のシナリオを執筆している。
1958年生まれ。91年撮影監督デビュー。ワイダ監督とは、『パン・タデウシュ物語』で初めて組み、以後『仕返し』『菖蒲』の撮影も担当。ほかの代表作にロマン・ポランスキ監督『戦場のピアニスト』(02)がある。
1933年生まれ。ポーランドを代表する作曲家・指揮者。映画音楽作曲家としての代表作に『サラゴサ手稿』(64 ヴォイチェフ・ハス監督)がある。ワイダ監督とは『天国の門』(67)で組んだことがある。『カティンの森』では撮影・編集修了後に『ポーランド・レクイエム』『交響曲第4番』などの既成作品の利用が決まり、ペンデレツキも快諾した。