オン・ザ・ハイウェイ

6月27日(土) YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー!

人生をつなぎとめるもの それは一本の電話だけ

画面に映るのはただ一人。交わされる言葉は電話のみ。 ワンシチュエーションで描く、緊迫のリアルタイム・サスペンス。

トム・ハーディ
「裏切りのサーカス」「ダークナイト・ライジング」「マッドマックス」「怒りのデス・ロード」

Introduction

これまでの常識をくつがえす映画が誕生した―。スクリーンに映る登場人物は車を運転する主人公ただ一人、会話は車内で交わされる電話のみ。そして映画の中で起こる出来事がリアルタイムで展開するという、ドキュメンタリーのようなタッチ。監督は、アカデミー賞にもノミネートされた脚本家で『ハミングバード』に続いて長編監督2作目となるスティーヴン・ナイト。たった一度の“過ち”から人生のすべてを失っていく男を主人公に据え、密室劇にも似た濃密なサスペンスと奥行きあるヒューマンドラマを見事に融合させた。 主演は英国を代表する演技派俳優、トム・ハーディ。『裏切りのサーカス』『ダークナイト ライジング』などの話題作に出演し、6月公開の超大作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、7月公開『チャイルド44 森に消えた子供たち』の主演にも抜擢された、いま最も注目を集めるスターである。本作では、車の運転席という極端に制限された状況で、主人公の複雑な心の揺らめきや多面性を繊細に表現。LA批評家協会賞・主演男優賞を受賞したほか世界の批評家から絶賛された。86分間の究極の映像体験があなたを待っている―!

Story

夜のハイウェイ。アイヴァン・ロックはある場所へと車を走らせていた。妻カトリーナとの間に二人の子供に恵まれ、建築現場監督としてのキャリアも評価され、順風満帆な生活を送っている。大規模なプロジェクトの着工を翌日に控え、その夜は家族と一緒にサッカー観戦をする予定だった。

しかし、一本の電話が人生のすべてを賭ける決断を迫る。愛する家族、仕事仲間、そして過去に一度だけ関係を持った女性―。刻一刻と彼を取りまく世界が崩壊へと向かう中、なんとか大切なものを守ろうとするアイヴァンだったが・・・。ハイウェイの果てに待つのは、破滅かそれとも希望なのか―。

Cast & Staff

トム・ハーディ(アイヴァン・ロック役)トム・ハーディ(アイヴァン・ロック役)
ルース・ウィルソン(カトリーナ役)ルース・ウィルソン(カトリーナ役)
オリヴィア・コールマン(ベッサン役)オリヴィア・コールマン(ベッサン役)
アンドリュー・スコット(ドナル役)アンドリュー・スコット(ドナル役)
ベン・ダニエルズ(ガレス役)ベン・ダニエルズ(ガレス役)
トム・ホランド(エディ役)トム・ホランド(エディ役)
スティーヴン・ナイト(監督・脚本)スティーヴン・ナイト(監督・脚本)
ハリス・ザンバーラウコス(撮影)ハリス・ザンバーラウコス(撮影)
ジャスティン・ライト(編集)ジャスティン・ライト(編集)
ジョー・ライト(製作総指揮)ジョー・ライト(製作総指揮)

トム・ハーディ  (アイヴァン・ロック役)

1977年9月15日、イギリス・ロンドン出身。ロンドンの演劇学校ドラマ・センターにて演技を学ぶ。TVミニシリーズ「バンド・オブ・ブラザース」(01)で俳優デビューを飾り、リドリー・スコット監督の『ブラックホーク・ダウン』(01)、『ネメシス/S.T.X』(02)、マシュー・ヴォーン監督の『レイヤー・ケーキ』(04)、ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』(06)などに出演。ニコラス・ウィンディング・レフン監督『ブロンソン』(09)で演じた凶悪な主人公役で、英国インディペンデント映画賞最優秀男優賞を受賞するなど注目を集める。その後、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』(10)や、トーマス・アルフレッドソン監督の『裏切りのサーカス』(11)、マックG監督の『Black&White/ブラック&ホワイト』(12)など話題作に相次いで出演し、2012年の『ダークナイト ライジング』では敵役ベインに抜擢。ガスマスクをつけて目しか出ていない状態での演技、鍛え上げた肉体と圧倒的存在感で世界にその名を知らしめた。そして今年、6月公開のアクション超大作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、トム・ロブ・スミス原作のミステリー小説をリドリー・スコット製作総指揮で映画化した『チャイルド44 森に消えた子供たち』(7月公開)で主演を務める。今もっとも忙しく、熱い注目を集める俳優の一人。

ルース・ウィルソン  (カトリーナ役)

1982年1月13日生まれ。イギリス・ケント州出身。16歳からモデルとして仕事を始め、LAMDA(ロンドン・アカデミー音楽演劇学院)で演技を学ぶ。2007年、女優デビューとなったBBCのTVミニシリーズ「ジェイン・エア」で主役を演じ、英国アカデミー賞と米ゴールデン・グローブ賞のテレビ部門にノミネートされる。以降、「スモールアイランド」(09)、「プリズナー No.6」(09)等に出演し、「刑事ジョン・ルーサー」(10~)ではイドリス・エルバと共演し、美しき完全犯罪者アリス役で好評を博す。2012年ジョー・ライト監督の『アンナ・カレーニナ』で映画初出演を果たし、続く『ローン・レンジャー』(13)、『ウォルト・ディズニーの約束』(13)等で好演。今後の待機作にソウル・ディブ監督、ミシェル・ウィリアムズ、クリスティン・スコット・トーマス共演の“Suite Francaise”などがある。

オリヴィア・コールマン  (ベッサン役)

1974年1月30日、イギリス・ノーフォーク出身。テレビ、映画、舞台と幅広く活躍する、イギリスを代表する女優の一人。テレビの古典的コメディシリーズ「ビープ・ショー ボクたち妄想族」(03~)などで高評を得、「ブロードチャーチ ~殺意の町~」(13)、「ウィッチャーの事件簿:エンジェル通り殺人事件」(13)では主役を演じている。映画では、2011年にパディ・コンシダイン監督・脚本『思秋期』でピーター・ミュランと共に主演を務め、同年のサンダンス映画祭でワールドシネマ部門審査委員特別賞を、また英国インディペンデント映画賞とイブニング・スタンダード英国映画賞で主演女優賞を受賞した。その他の出演作に、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』(07)、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)、『私が愛した大統領』(12)、『カムバック!』(14)などがある。今後は、再びトム・ハーディと共演する“London Road”、レア・セドゥー、コリン・ファレル共演の“The Lobster”などが控える。

アンドリュー・スコット  (ドナル役)

1976年10月21日生まれ。アイルランド・ダブリン出身。2012年、BBCのテレビドラマシリーズ「SHERLOCK/シャーロック」でシャーロックの宿敵モリアーティ役を演じ、ブレイク。同作品で英国アカデミー賞テレビ部門の最優秀助演男優賞を受賞するなど、高く評価された。また、舞台でも活躍し、2004年ロイヤルコート劇場公演“A Girl In A Car With a Man”、2010年にベン・ウィショーと共演した“Cock”で、それぞれローレンス・オリヴィエ賞を受賞している。主な映画出演作に、『プライベート・ライアン』(98)、『ノーラ・ジョイス 或る小説家の妻』(00)、ケン・ローチ監督作『ジミー、野を駆ける伝説』(14)、英国インディペンデント映画賞・助演男優賞を受賞した『パレードへようこそ』(14)などがある。今後は『007』シリーズ最新作『007 スペクター』(2015年12月公開)、ダニエル・ラドクリフ共演の“Victor Frankenstein”などが控える。

ベン・ダニエルズ  (ガレス役)

1964年6月10日生まれ。イギリス出身。LAMDA(ロンドン・アカデミー音楽演劇学院)を卒業してすぐに、ジョン・ローガンが実話に基づいて書いた“Never The Sinner”のプレイハウス劇場公演に出演し、ローレンス・オリヴィエ賞・最優秀助演男優賞にノミネートされる。その後も舞台俳優として数々の賞を受賞し、クリストファー・ハンプトン脚本「危険な関係」のブロードウェイリバイバル上演で演じたヴァルモン子爵役でトニー賞主演男優賞にもノミネートされた。テレビドラマでは、「LAW&ORDER:UK」、ケヴィン・スペイシー主演の「ハウス・オブ・カード 野望の階段」に出演。主な映画出演作に、マイケル・ウィンターボトム監督の『アイ ウォント ユー』(98)、ザ・ロック主演の『DOOM ドゥーム』(05)、ブライアン・シンガー監督『ジャックと天空の巨人』(13)などがある。

トム・ホランド  (エディ役)

1996年6月1日生まれ。イギリス、キングストン・アポン・テムズ出身。脚本家で俳優のドミニク・ホランドを父に持つ。2012年、J・A・バヨナ監督の長編映画『インポッシブル』で映画デビューを果たし、スクリーン・インターナショナル誌“明日の英国スター”の1人に選ばれる。他にもハリウッド・スポットライト賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の新人賞、ロンドン映画批評家協会賞の若手英国人俳優賞、2013年エンパイアマガジンの最優秀新人賞を受賞するなど、高い評価を得る。最近では、ケヴィン・マクドナルド監督による10代を描いたドラマ『わたしは生きていける』(14)で主人公アイザック役を演じ、ロン・ハワード監督『白鯨のいた海』(2015年公開)には主要キャストとして出演。今後の活躍が期待される若手俳優の一人。

監督・脚本:スティーヴン・ナイト

1959年 イギリス・マールボロー出身。大学で英文学を学んだ後、広告代理店やラジオ局でコピーライター、プロデユーサーとして働く。 TV向けの脚本を数多く手がけ、国際的に大ヒットした「クイズ$ミリオネア」にも参加。長編映画の脚本としては2作目となる、スティーヴン・フリアーズ監督の『堕天使のパスポート』(02)でアカデミー賞、BAFTA、ヨーロッパ映画賞で脚本賞にノミネートされ、英国インディペンデント映画賞を受賞。続くマイケル・アプテッド監督『アメイジング・グレイス』(06)、およびデヴィッド•クローネンバーグ監督『イースタン・プロミス』(07)でも数々の賞にノミネートされる。『イースタン・プロミス』は、カナダのジニー賞で最優秀脚本賞を獲得し、BAFTAで最優秀英国映画にノミネートされた。また、2012年には、ジェイソン・ステイサムを主演に迎えた『ハミングバード』で、「長年の夢だった」という監督デビューを果たす。本作は監督2作目となる。

撮影:ハリス・ザンバーラウコス

1997年にアメリカン・フィルム・インスティテュートで撮影監督の美術学修士号を取得。アメリカ、ヨーロッパで多数のCMやドキュメンタリー、短編映画に携わる。2004年、ロジャー・ミッシェル監督『Jの悲劇』で英国インディペンデント映画賞の最優秀技術貢献賞にノミネート。その後、『ヴィーナス』(06)、『スルース』(07)等で撮影監督を務め、アメリカの業界誌ヴァライエティで「注目の撮影監督10人」にも選ばれるなど、名声を築く。他に、ケネス・ブラナー監督『マイティ・ソー』(10)、リチャード・エアー監督『アザーマン -もう一人の男-』(08)、アメリカン・フィルム・インスティテュート・アワードの最優秀撮影監督賞を受賞した『奇術師フーディーニ ~妖しき幻想~』(07)、『マンマ・ミーア!』(08)など、多彩な作品でその才能を発揮している。

編集:ジャスティン・ライト

ミュージックビデオや短編映画で腕を磨き、その後ケヴィン・マクドナルド監督の長編映画で編集を担当する。英国インディペンデント映画賞最優秀新人賞(ビハインド・ザ・カメラ)を受賞した『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』(99)をはじめ、BAFTA英国作品賞部門受賞作『運命を分けたザイル』(03)、『ラストキング・オブ・スコットランド』(06)、『消されたヘッドライン』(09)、『第九軍団のワシ』(10)など数々の作品でタッグを組んでいる。その他、編集を担当した作品に、メリル・ストリープ主演『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)、ドキュメンタリー『奇蹟のイレブン/1996年北朝鮮VSイタリア戦の真実』(02)、ピーター・オトゥール主演『ファイナル・ステージ』(02)などがある。

製作総指揮:ジョー・ライト

1972年8月25日、イギリス・ロンドン出身。長編映画デビュー作『プライドと偏見』(05)で英国アカデミー賞新人監督賞、ロンドン映画批評家協会賞監督賞を受賞。さらにアカデミー賞で4部門、ゴールデン・グローブで2部門にノミネートされ、注目を浴びる。同じくキーラ・ナイトレイを主演に迎えた『つぐない』(07)、トルストイの不朽の名作を大胆に映画化した『アンナ・カレーニナ』(12)でもアカデミー賞をはじめ数々の賞でノミネートや受賞を果たし、高く評価される。その他の監督作に、ジェイミー・フォックスやロバート・ダウニーJr.出演の『路上のソリスト』(09)、シアーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェットら出演のアクションドラマ『ハンナ』(11)などがある。本作では、スティーヴン・ナイトの初監督作品『ハミングバード』に続いて製作総指揮を務めている。

Interview

ちょうど『ハミングバード』を撮り終えたところで、映画制作のプロセスを解体したいと考えていたんだ。また、デジタルカメラを使って夜の高速道路を撮影していた時、その映像がとても美しく芸術的だったんだ。それで、一人の人間の実際の旅の物語を作ってみてはどうかと考えたんだよ。平凡な男の人生が、自分の犯した過ちの結果としてリアルタイムで変化していくという物語をね。しかも、男が一台の車の中いるという状況で撮りきれないかと思ったんだ。

実際の車内のハンズフリー電話に回線を繋いだ状態にして、俳優たちにはトムの撮影現場近くのホテルの会議室に入ってもらっていた。トムとリアルタイムで会話できるようにね。私は全員にこう伝えたよ。「これは演劇だ。だから何か問題が起こったら舞台の上にいると思ってその場で対応するように。」って。

そう。彼は今日で最高の役者だからね!『インセプション』を観た時、トムが歩いて入ってきたとたん視線が釘付けになったんだ。どうやったのかは分からないけど、彼は私の視界に飛び込んできたんだ。もちろん他の出演作も観たよ。そして実際に初めて会った時、彼には間違いなく何かがあった。

そうなんだ。トムが初めて脚本を読んだ時、こう言ったよ。「これは僕にとって初めての“ストレートな”役になる。アイヴァンはごく普通の男だ。」私はアイヴァンを全く平凡な仕事をしている、世界で最も平凡な男にしたかった。誰にでも起こりうる悲劇ではあるが、平凡な男の身に起こる“国家的悲劇”であるかのような深刻なものにしたかったんだ。巻き込まれた人たちにとっては、そのことが世界の終わりになってしまうように。