ペトルーニャに祝福をメインビジュアル
ペトルーニャに祝福を
ペトルーニャに祝福をメインビジュアル
劇場情報
花
ペトルーニャに祝福を
私だけの十字架を探して

映画『ペトルーニャに祝福を』
公開【延期】に関しまして

2020年4月25日(土)より公開を予定しておりました『ペトルーニャに祝福を』につきまして、
新型コロナウィルス感染拡大に伴う各行政機関の発表や方針、
およびご来場のお客様の安全と健康を鑑みまして、
2021年初夏に公開を延期することを決定いたしましたことをお知らせ致します。
公開を楽しみにお待ちいただいていた皆様には、心よりお詫び申し上げます。

今後の公開予定につきましては、日程が決定次第、公式ホームページ、公式SNS等にてお知らせ致します。

お買い上げ頂きました前売券は、延期後の上映にもご使用いただけます。

何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

2020年4月8日
アルバトロス・フィルム
×
コメント到着
自主上映のご案内
ベルリン国際映画祭 エキュメニカル審査員賞 ギルド映画賞 W受賞
シーン1
シーン
テキスト
シーン
特典ポストカード

Trailer

  //YouTube動画の埋め込みタグ   

background Introduction

Introduction

北マケドニアの小さな街。
ペトルーニャは女性に禁じられた“幸せの十字架”を偶然手にするが――。

32歳のペトルーニャは、美人でもなく、体型は太目、恋人もいない。大学で学んだのに仕事はウェイトレスのバイトだけ。主義を曲げて臨んだ面接でもセクハラに遭った上に不採用となった帰り道に、地元の伝統儀式“十字架投げ”に出くわす。それは、司祭が川に投げ入れた十字架を男たちが追いかけ、手に入れた者には幸せが訪れると伝えられる祭りだ。ペトルーニャは思わず川に飛び込むと、その“幸せの十字架”を手にするが「女が取るのは禁止だ!」と男たちから猛反発を受け、さらには教会や警察を巻き込んでの大騒動に発展していく・・・。

ベルリン国際映画祭エキュメニカル審査員賞&ギルド映画賞W受賞!
幸せを求めるペトルーニャの闘いを、マケドニアの女性監督がアイロニーとユーモアで鋭く描き切った傑作!

監督は首都スコピエ生まれのテオナ・ストゥルガー・ミテフスカ。ニューヨーク大学で映画を学び、新作を発表するたびに数々の国際映画祭で注目を集める才媛だ。「今日でさえ、強い女性として活躍するのが難しい」と語る保守的なバルカン地域を舞台に、ペトルーニャの闘いをアイロニーとユーモアで鋭く描き出す。「幸せになる権利は私にもあるはず。なのに、なぜ?」――映画が描くペトル―ニャの思いは性別だけでなく国籍、出自、セクシャリティ……など、多様な社会に生きるあらゆる人々に普遍的なもの。それがままならない世の中と戦い始めた彼女が、周囲に投げかける「なぜ?」は、つまり現代社会にすべての人の「なぜ?」でもあるのだ。

Story

Story

大学で学んだ知識を生かす仕事 に就くことができず、鬱々としながらウェ イトレスをする32歳のペトルーニャ。
知人のツテで仕事の面接の口を探し てきた母親は、ペトルーニャに言う。 「きれいな恰好をしていって。本当の 年齢でなく、25歳というのよ」。
友人からマシなワンピースを借りた ぺトルーニャが指定された場所に行く と、そこは多くの女性がミシンを踏む縫 製工場だった。面接担当の男性責 任者はスマホをいじりながらペトルー ニャに年齢を聞くと「42歳に見える」と 一言。そして「デスクワークの経験は ないが、大学で学んだ知識がある」と 語るぺトルーニャに近づくと、そのスカー トに手をかけ、からかった末に言う。
「裁縫はできず、就職経験もない。
事務もしたことがない。見た目もそそらな い」

最悪の面接の帰り道、ぺトルーニャ は、キリストの受洗を祝う「神現祭」の 群衆に遭遇する。司祭が川に十字架 を投げ込み、それを最初に見つけた 男は、1年幸福に過ごせると信じられ ている祭だ。多くの男たちが半裸の姿 で川に向かう。その人波に飲まれ川沿 いまで来たぺトルーニャは、投げ込ま れると同時に自分の前に流れてきた十 字架を見て、思わず川に飛び込み、 それを手に取った。
「女性がとったわ!」
だが男たちは、群衆から上がった そんな歓声を無視し、十字架をぺト ルーニャの手から奪い取る。「私が最 初に取ったのに!」「女が取るのは禁 止だ!」いきり立つ男たちをなだめな がらも、前代未聞の事態に戸惑う司 祭。その混乱に乗じ、ペトルーニャは 十字架を奪い取って逃亡する。

消えたペトルーニャに怒る男たち に、警察署長までが加わって、現場は さらなる混乱に陥っていた。「神現祭」 の取材に来たテレビ局の女性リポー ター、スラビツァは、警察署長や司祭 に別の取材を始めている。「女性が 十字架を取るのは問題ですか? なぜ ですか? どこに違法性が?」と尋ねる スラビツァに、「子供に男だけがとれる と教えている」と答える司祭。騒ぎを大 きくしたくない警察署長は「君の仕事 はイカれた女を追うことか?」と尋ねる が、「怒り狂った群衆が、彼女を追い かけているんですよ」とスラビツァは一 歩もひかない。

一方ペトルーニャの家では、びしょ 濡れで帰った娘をいぶかっていた母 親が、テレビが報じる「田舎町の珍 事」というニュースで、事の次第を知り 怒り狂う。
「罰当たりのバケモノ! 近所に何を 言われるかわからない! 出ていけ!」 その母に蹴りを入れて、ペトルー ニャは言い放つ。
「十字架は私のもの! 絶対に渡さな い」
だが、やがてやってきた警察に、ペ トルーニャは連行されてしまう……

テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督インタビュー

このストーリーが生まれた経緯は?
北マケドニアを含む東ヨーロッパの東方正教を信仰するほとんど全ての国では、毎年1月19日の神現祭の日、十字架を川に投げ入れる行事が催されています。2014年、マケドニア東部の町シュティプで女性が十字架を掴み取りましたが、彼女は地元の住民と宗教関係者たちの怒りを買いました。実際、女性はこの行事に参加することが許されていません。このため、人々は十字架を彼女から取り上げようとしましたが、彼女は屈しませんでした。翌日、地元のテレビ局から受けたインタビューで、彼女は、これからは十字架を手に入れるために女性もどんどん川に飛び込むように呼びかけました。彼女は住民から「狂った」「精神障害のある」「問題を抱えた」若い女性という烙印を押されました。私とプロデューサーのラビナ・ミテフスカにとって、こうした人々の反応は、社会の同調主義を露呈したものにすぎませんでした。またそれは我々の社会の中に深く根付く男性に支配された社会通念に裏打ちされた女性蔑視も露わにしました。苛立たしく、腹立たしいものでした。ペトルーニャのストーリーはこの苛立ちから生まれました。我々は行動を起こすべきだと思ったのです。
主役を演じた女優は、どのように見い出しましたか?
これは彼女にとって初めての長編映画です。ゾリツァは主にコメディ女優として活躍しており、コミック・シアター・オブ・スコピエに所属しています。コミック俳優が素晴らしいのは、リズムとタイミングについて完璧に理解しているところです。私は通常、俳優のキャスティングにたっぷり時間をかけ、リハーサルを行います。何ヶ月も要するプロセスです。リハーサルはキャスティングの一部ですが、これは非常に有益でやりがいがあります。私は静かで粘り強さを表現できる女優を探していました。それはまさに私がゾリツァに見い出したものです。私は彼女こそ私のペトルーニャだと直感しました。
この後、ペトルーニャは、彼女が暮らす社会の中で自分の居場所を見つけることができるでしょうか?
実際に十字架をつかんだ少女は今ロンドンで暮らしていると聞きました。率直に言って、シュティプに留まっていたら、彼女の人生は困難に満ちたものになっていたでしょう。彼女があの町から出る機会を得ることができて嬉しく思います。今年、ある女性がセルビアのゼムンで十字架を手にし、祝福されました。世界は急速に変化しています。そう願います!
petrunya
petrunya

Cast / Staff

テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督
テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督
テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督
テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督
1974年旧ユーゴ(現 北マケドニア)スコピエ生まれ。芸術一家に生まれ、子役としてキャリアをスタート。絵画とグラフィックデザインを学んだ後、ニューヨーク大学のティッシュ芸術学部で映画の修士号を取得。監督デビューは2001年の短編『VETA(原題)』(ベルリン国際映画祭審査員特別賞受賞)。初の長編『HOW I KILLED A SAINT(原題)』(04年ロッテルダム国際映画祭タイガー・アワード・コンペティション部門)は、弟のヴクと妹のラビナとともに立ち上げた製作会社「シスターズ・アンド・ブラザー・ミテフスキ」の下で製作された。次の『I AM FROM TITOV VELES(英題)』(07)はサラエボ映画祭審査員特別賞を受賞、トロント国際映画祭(ディスカバリー部門)、ベルリン国際映画祭(パノラマ部門)、カンヌ映画祭(ACID部門)に選出された。続く『THE WOMAN WHO BRUSHED OFF HER TEARS(英題)』(12)、『WHEN THE DAY HAD NO NAME(英題)』(17)もベルリン国際映画祭(パノラマ部門)でプレミア上映された。本作『ペトルーニャに祝福を』(19)は、ベルリン国際映画祭のコンペティション部門でエキュメニカル審査員賞とギルド映画賞をW受賞、多くの映画祭で評価された。
現在は、ベルギーのブリュッセルで息子のカエリオクとともに暮らしている。また、「シスターズ・アンド・ブラザー・ミテフスキ」はヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『読まれなかった小説』、ダムヤン・コゾレ監督の『NIGHTLIFE(原題)』、クリスティ・プイウ監督の 『SIERRANEVADA(原題)』などの作品に共同プロデューサーとして参加している。
ゾリツァ・ヌシェヴァ
ゾリツァ・ヌシェヴァ
ゾリツァ・ヌシェヴァ
ゾリツァ・ヌシェヴァ
1984年旧ユーゴ(現 北マケドニア)デルチェボ生まれ。学生時代の朗読と合唱団での体験から演劇を志し、2007年にスコピエの演劇学校に進学、その後は主にコミック・シアター・オブ。スコピエの一員として活動。2019年に本作に出演。スコピエ在住の2児の母。
ラビナ・ミテフスカ
ラビナ・ミテフスカ
ラビナ・ミテフスカ
ラビナ・ミテフスカ
1975年旧ユーゴ(現 北マケドニア)スコピエ生まれ。大学で美術考古学を学んだ後、ヨーロッパ映画大学(デンマーク)、アリゾナ大学美術史学科に進む。ミルチョ・マンチェフスキー監督の『ビフォア・ザ・レイン』(94)のアルバニア人少女ザミラ役で映画デビュー。その後、マイケル・ウィンターボトム監督作『ウェルカム・トゥ・サラエボ』(97)、『アイ ウォント ユー』(98)他、多くの作品に出演。プロデューサーやコラムニストとしても活躍中。

Awards 受賞歴

海外レビュー

権力、変化、家父長制度における
女性の地位についての鋭い風刺。
これは、あらゆる場面ですでに
広く受け入れられている征服に対する、
知的でパワフルな声明を出す映画。
― SCREEN DAILY
この映画は間違いなく本物だ。
その成功は主演ゾリツァ・ヌシェヴァの
優れたパフォーマンスによる。
意思のある女性としての彼女のキャラクター
には目を見張るものがある。
― VARIETY
とにかく、パワフルだ!
― DER TAGESSPIEGEL
映画と観客を人質にする
重い人類学と社会学に陥ることなく、
幸せで豊かな瞑想を提供している。
最後に、ヒロインは映画史の中でも
最も美しい女性キャラクターの
ひとりに変貌を遂げる。
― POSITIF
ペトルーニャは常にそこにいる。
それだけで革命を起こしている!
― LIBERATION
切れ味鋭い、卓越したアイディア!
― LE NOUVEL OBSERVATEUR