3年前、初めて『キリクと魔女』の脚本を読んだ。当時、何本かの映画の脚本をもらっていた。しかし、その中でも『キリクと魔女』が一番私の興味をひいた。
理由はふたつ。まず、私の理解の深いアフリカの物語だったこと。水や自然、子供達、魔女、呪い鬼、我々のルーツや神話を作る事柄を描いているのだ。
ふたつ目の理由は、『キリクと魔女』は私に伝統音楽へ携わるチャンスをもう一度与えてくれるということだ。ミッシェル・オスロは近代の音楽ではなく、アフリカをルーツとした音楽を使って欲しいという希望を明確にしていた。我々は、伝統的なアフリカの楽器を使用した。バラフォン、リッティ、コラ、イクザラム、トクホー、サバー、そしてベロンなど。映画の音楽の仕事をしたのは、『キリクと魔女』が初めてで、私にとっては新しい挑戦でもあった。
脚本を読み終わってから、早速取り掛かった。そして初めて映画を観た時、そのイメージのインパクトや彩りの力強さ、オリジナリティ溢れるキャラクターたちに圧倒された。それらは偶像化されたイメージで、現代のアフリカとは違っているが、神話や謎に満ちたアフリカの童話なのである。
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1959年、アフリカのダカールに生まれる。15歳でセネガルのトップ・グループ
"スター・バンド"に入り、看板歌手として一躍脚光を浴びる。78年には自身のグループ"エトワール・ドゥ・ダカール(ダカールの星)"を結成し、その実力は次第にヨーロッパから世界へと伝わっていく。86年にはピーター・ガブリエルとのコラボレートを通じ、ユッス−・ンドゥ−ルはアフリカ音楽史上最高のヴォーカリスト/サウンドクリエイターの1人として世界中にその名を知られることとなる。さらにスティング、ルー・リード、ポール・サイモンといったスーパー・スターとの共演も果たしている。
日本でもホンダのコマーシャル・ソング、"オブラディ・オブラダ"は有名である。最新アルバムは、"ナッシングス・イン・ヴェイン
(COONO DU REER)"(ワーナーミュージック・ジャパン)
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